「4年目の同窓会・・・再び舞う風と共に」
男
| ”カタンカタン・・・カタンカタン・・・” |
| 窓の外を見ると懐かしい風景が広がっていた |
| 真司「4年ぶりかぁ〜短いようで長かったなぁ」 |
| そう、この田舎へ帰るのは4年ぶり |
| 高校の同窓会で帰ってきた |
| 4年目にして始めての参加 |
| 何故に4年目か?それにも意味が有る |
| 大きなイチョウ木のしたでした彼女との約束の為に |
| 友人「おい懐かしいなぁ〜〜真司」 |
| そこには顔を真っ赤にした高校の時の親友が居た |
| 真司「飲みすぎじゃないのかぁ?」 |
| 友人「なに言ってんだよ、4年ぶりの再会だぞぉ」 |
| 真司「ははは」 |
| 懐かしかった、何もかもが |
| 友人「見てみろ、みんな大人になって美人ばかりだろ」 |
| 確かにこうして会ってみると、ほとんどの女子は |
| 綺麗になっていて、ぱっと見ても気がつかなかった程 |
| 女性達「でも真司君って都会に住んでるだけあっていけてるね」 |
| 真司「おいおい、今も昔も変わりないさ」 |
| 友人「じゃぁ〜なんだよ、おれは田舎臭いか?」 |
| 女性達「かなりね」 |
| みんな「ははははははははは」 |
| そう笑いながら周りを見回す、彼女を探して |
| 同窓会が始まって2時間、少し夜風にあたる事にした |
| 友人「何処行くんだ?」 |
| 真司「少し夜風にあたってくる」 |
| 友人「そかそかぁ〜〜またすぐ来いよぉ〜〜」 |
| 楽しそうな友人を後にして外へ出る |
| 真司「来ない・・・のか・・・」 |
| 夜空は星が綺麗で、夜風の冷たさが心地よかった |
| 彼女に会うために、約束を守る為に来たのだか |
| その彼女は未だに姿を見せない |
| 約束は忘れ去られたのだろうかと、そう思うしかなかった |
| 冷たい中、温かい風が頬を触るように通り過ぎ |
| 目の前に数人の女性達が出てきた |
| そしてその前に・・・彼女が・・・居た |
| 女性達「遅いわよぉ〜美紀」 |
| 美紀「ごめんなさい、遅れちゃって」 |
| そう言いながら店内へ入ろうとする |
| 真司「よぉ・・・よぉ美紀、4年ぶりだな」 |
| 美紀「お久しぶり、さぁ入ろうみんなも居るし」 |
| そういい残すと目の前を通り過ぎた |
| 真司「そう・・・・・だな・・・・・」 |
| あまりにあっけなく、あまりに普通で、あまりに・・・ |
| その後一度も話す事は無く、同窓会は終わった |
| 終わった後、少し友人達と話をしていた |
| そして店の中を見回すと、もう美紀の姿は見えない |
| 友人「そだ、真司いつ帰るんだ?」 |
| 真司「明日の午前中にはたつ」 |
| 友人「そうかぁ〜じゃぁ〜もう帰らないとな」 |
| 真司「悪いな」 |
| 本当はこの後も飲みに行くつもりだった |
| けれど今はそんな気分にはどうしてもなれなかった |
| 店を後にすると夜風にあたりながら家路につく |
| 真司「はは、そうだよなぁ4年前で高校生だぜぇ |
| あんな約束なんてまぁ〜いわゆる・・・なんだろ・・・」 |
| 思わず言葉につまってしまう |
| 俺はこの4年間この約束を忘れた事なんてなかった |
| 真司「イチョウの木・・・まだあるのかなぁ」 |
| 家路とは違う方向へ向う |
| もちろん行き先は高校だった |
| 最後にあのイチョウの木を見たくなって |
| 真司「やっぱ寒いなぁ〜」 |
| 吐く息はやはり白い |
| 校庭の端に有るイチョウの木の下まで行くと |
| せもたれながら夜空を眺めた |
| 今でもはっきりと思い出す |
| 卒業式の夜俺たちはここで会った |
| お互い向かう方向は違うけれど、夢に向かって頑張ろうと誓った |
| その4年間の間はその気持が崩れないように連絡はしないと |
| そして4年たったらこの地で会おうって |
| 真司「4年あれば人は変るさ、そして忘れるさ・・・そんなもんだろ」 |
| 自分へ言い聞かせるようにつぶやく |
| 真司「寒っ!」 |
| 急に強い風が吹いてきた |
| イチョウの葉が沢山落ちてくる |
| そして落ちてゆくイチョウの葉の川の向こうに・・・居た |
| 美紀「こんな夜更けに学校に忍び込む悪い人はだぁ〜れ?」 |
| くったくの無い笑顔がそこにあった |
| 真司「ばぁ〜か、それはお前もじゃん」 |
| 美紀「約束覚えててくれたんだね」 |
| 真司「俺が約束破った事あったかよ?」 |
| 美紀「・・・・・」 |
| そして今、美紀の頬には涙が流れた |
| 美紀「怖かったんだ・・・私」 |
| 美紀のそばへ寄ると抱きしめた |
| 美紀「だって、雰囲気も変わっていたし」 |
| 真司「はは、都会の人だからか」 |
| 美紀「だって、忘れられてたら・・・立ち直れないもん」 |
| 真司「ばぁ〜か、俺は変わってないさ」 |
| 美紀「・・・・・」 |
| 今まで冷たかった夜風は何故か温かく |
| 降り注ぐイチョウの葉はとても綺麗で |
| 星空はまた最高だった |
| そして俺達はスタートラインへ立つ事ができた |