「朝の風景・・・信号と風と」


男「ふぁぁ〜〜やっぱ早起きは辛いなぁ」
いつもより30分早い通勤
朝からの会議がある為に家を早く出た。
毎朝混むこの会社前の交差点もすいているようだった
ふと信号待ちの時に前の車の中が見えた時
運転者は女性のようで、ルームミラーを自分の方へ向けて
一生懸命化粧をしている
男「女性は大変だな・・まったく」
そう思いながらも、少し笑えた。
 
一週間が経ち、また朝の早い日が訪れて同じ信号で止まった
男「?!」
なんとまた前に止まった車は先週も見た女性だった
思わず覗いてみると・・・やはり化粧を・・・
男「・・・・・ぷぷぷ」
また笑ってしまう。
と、その時ちょうど化粧が終わったらしくルームミラーを低位置へ戻した
つまり目が合ってしまう
思わずぺこりと頭を下げると、その女性も会釈した
男:女「ははははは」
お互いおかしくて笑ってしまう。
ルームミラーを通して。
それからというもの週に一度のこの交差点で、必ず彼女と会っていた
いつからか彼女は車では化粧をしなくなっていていた
ある日会社の宴会がある日
まだ下っ端の俺が車を出す事になり、ビルの裏の駐車場から
ビルの屋上駐車場へ車を移動させた
うちの会社は最上階の為、そこで乗せていく事になったからだ
そして屋上へ着きみんなの来るのを待っていた
ふと駐車場入り口を見ると、見慣れた車が止めてある
男「まさか・・・なぁ」
そのまさかが、ちょうどその時入り口から女性が現れた
男「・・・・・」
相手も気が付いたらしく、こちらを見て立ち止まった。
俺も車から降りる
男「・・・どうも、このビルで働いてるの?」
女「ええ、そうなんですけど・・・朝はいつも」
彼女は照れくさそうにうつむく
男「はは、たまたま会いますよねビル前の交差点で」
女「同じビルだったんですね」
同じビルで働いていたのだった
なんという偶然、話すのも今日が初めてだと言うのに
次の言葉が口から出ていた
男「今度食事でもどう?」
女「本気?」
男「はは、そのつもりだけど」
彼女は少しうつむくと答えた
女「いいですよ」
偶然から始まる何かも有り得るのだと思う
だから・・・この先を楽しみにしよう