「吹く風が愛しくて・・・流れた涙」
男
| 幸せかい?って聞かれると・・・・・ |
| 今、2年付き合った彼女が目の前で泣いていた |
| 男「・・・・・」 |
| 女「・・・・・もう・・・・・」 |
| その一言がものすごく重くのしかかる |
| 彼女は立つと店を出た |
| 残された俺は、残ってたコーヒーを飲むとその場を後にした |
| 今は、少なくとも幸せではない・・・・・それが答えになる |
| 何が悪かったのかは今でもわからなかった |
| 自分に悪い所が無いとは言わない |
| それでも二人の仲は、うまくいってるんだと思っていた |
| 彼女の家に電話をかけた |
| もちろん出る事は無く留守電に変わる |
| 悲しみが浮かびそのまま冷たい受話器を置いた |
| 大の字に寝そべって天井を眺める |
| 「はぁ」 |
| 出たのはため息と、新鮮すぎる思い出の映像 |
| このままでもいいかなって思えた |
| 後は時が解決してくれるんだとも思った |
| しかし・・・・・諦めることが出来なかった。 |
| 起き上がると受話器を持つ |
| 受話器の冷たさが手を伝わって心まで届きそうに感じる。 |
| 「もう一度だけ・・・」 |
| 受話器を持つ手に力が入った |
| すると、冷たかった受話器が温かく感じ勇気がわいてきた。 |
| 「プルルルルル・・・・プルルルルル・・・・」 |
| 「出てくれ、お願いだ・・・」 |
| その思いも虚しく留守電に変わってしまう。 |
| 受話器を耳から離そうとした時 |
| (本当にもういいの?・・・このままで・・・) |
| そんな声が聞こえたように感じた |
| 受話器を強く握りしめると留守電へメッセージを伝える |
| 「もう一度だけ会おう、今のままじゃ何が何かわからないんだ、 |
| 明日のPM9:00公園で待つこれは強制じゃないから |
| もし良かったら来てくれ・・・・・これが最後だ」 |
| 最後の・・・かけだった。 |
| そして約束のPM9:00を過ぎた。 |
| まだ、彼女の姿は現われない。 |
| ここで会って、こう話してこう進んで・・・・・・そんな事ばかりを考えてた |
| もちろん会えるという前提のもとでだ。 |
| そんな気持ちも虚しく時間だけがすぎてゆく |
| 「会えないのか?、来ないのか?」 |
| ため息と共に再びいろんな後悔が頭のなかを巡って |
| なんともいえない・・・苦い思いが心の中を埋めつくした |
| 「未練がましいな・・・」 |
| そう自分に言い聞かせるとベンチから立つ |
| すると・・・・・・現われた |
| 思わず顔がほころんでゆくのを押さえられなかった |
| 男「来て・・・くれたんだね」 |
| 女「待っててくれたんだね」 |
| お互いの言葉が重なった |
| 男「あのさぁ〜」 |
| 女「あのね」 |
| そして再び言葉が重なりあい思わず苦笑が出る |
| 男「先に言いな」 |
| 女「うん・・・・・あのね・・・・・」 |
| 稀に綺麗な星空の中、微かに光る風が二人の上を通り過ぎた |
| それは一瞬で、綺麗でいてはかなくて・・・・・ |
| 二人の表情は・・・・・涙が流れていた。 |