「遅い夏・・・潮風と共に」


汗が流れる
男「暑いなぁまだ」
目の前に広がる青い海
男「ああああ、泳ぐか!!」
一度車へ戻ると短パンになって海へ向かう
今日は仕事と都合で来れなかった海へ1人来ていた
まだまばらに泳いでいる人やカップルも居るようだ
今シーズンはとっくに過ぎた海へやっとこれて
カメラを片手に撮っていたのだった
海へ入ると軽く泳いだ
男「んっ?!」
ぬるっとしたものいが足に触った
男「いたっ!!」
ふと周りを見るとそこには沢山のクラゲが・・・
男「マジかよ・・・」
慌てて岸へ上がったが、足はかなりはれていた
まったくついていない・・・確かにシーズンは過ぎ
クラゲが居てもしょうがないが、やっとこれた海でクラゲとは
片足を引きずるように堤防へ座った
 
痛いのを感じながらも海を眺めた
今年こそは彼女を作って泳ぎに来ようと決めていたのに
毎年と同じ状況だった
周りの友達は彼女ができ、それぞれ海へ行った
もちろん邪魔するわけにもいかずに
盆休み返上で仕事をこなした
男「考えると・・・虚しい気もするなぁやっぱ」
ゆっくり空を見上げるとそうつぶやいた
その時だった急に強い潮風をくらいそのまま後ろへ倒れる
男「わっ!」
見事に落ちた先はもちろんコンクリートかなり痛い
女「大丈夫です・・・か?」
落ちた目線の先に逆さになった女の人が立っていた
慌てて起きると彼女の方を向いた
男「はは、恥ずかしい所を・・・いっ!」
そう片足はクラゲに刺されて痛いのを忘れていた
女「足腫れてますね?」
彼女はポケットから小瓶を取り出した
女「これ塗ってみて下さい、クラゲの刺し傷に効きますから」
男「ありがとうございます。」
ふとおかしい事に気がついた
男「持ち歩いてるのですか?」
女「あ〜、このすぐ近くてよくここへ来ますので」
答えになってるのかわからないが納得した
女「よくここへは来るのですか?」
男「いや、今日が始めてでして」
女「そうなんですかぁ〜、もうこの時期クラゲが居ますで気をつけて下さいね」
男「確かに無謀でしたね」
それからも彼女と話してみるとなかなか楽しかった
彼女の家はすぐ目の前でよくここへ散歩に来るらしい
目の前が海とは本当に羨ましいものだ
そんな話をしているといつの間にか足の痛みは消えていた
男「この薬利きますね」
女「そうでしょ、地元の人しかしらない配合だから」
そう言うと彼女は笑い出す
もちろんそれにつられて俺も笑った
やがて目の前の海で沈みはじめた夕日を見ながらつぶやいた
男「また明日来ようと思ってるんだけど、明日も話がしたいな」
言った後びっくりする
こんな事をどうどうと初めて会った人に言うとは
でも、夕日と温かい潮風と・・・なんだか不思議だった
女「・・・いい・・・ですよ・・・」
彼女の返事にまたびっくりした
それでももちろん嬉しい
男「急に言ったりしたけど、ありがとう、また明日ここで」
女「ええ、またここで」
1人だけど海へ来て良かった
今年はもう遅いけど、きっとこれからもここへ2人でこれると嬉しい
夏は今始まった