「銀杏の木の下で・・・落ち葉と風と」


暑い夏が過ぎ風の気持ちいい秋が訪れた
紅葉なんて気にしないけれど、銀杏は好きだった。
ちょっと肌寒い道を歩いていくと、そうは大きくない公園がある
地元の人しか知らない銀杏の木の名所だった
子供連れの若い女性が銀杏の木の下で遊んでいる
その木がここでは一番大きく綺麗だった
近くにあるベンチへ座ると、大きな銀杏の木を見上げる
そしてその下では家族が遊んでいる
平和な時間・・・そして、心癒される時間だった
子供達はフリスビーで遊んでいて、それを女性が見守っている
少し強めの風がちょうどいいみたいだった
珈琲が飲みたくなり自販機へ向かって歩き始めると
視界の端でフリスビーが俺の方へ飛んできているのが見えた
振り返るとそのフリスビーをキャッチする
子供「おじさん、ありがとう。うまいんだね」
正直自分でもこんなに綺麗に取れるとも思わず思わず笑顔になる
男「ほら」
フリスビーを手渡すと、子供は大きくお辞儀をすると元へ走っていった
その先では女性がこちらに向けて辞儀をしている
俺もお辞儀をすると自販機へ向かった
自販機で珈琲を買うと元のベンチへ向かう
さっきの家族が遊んでいた所へ男の人が歩いてきた
おそらく旦那さんだろう
ベンチへ座ると珈琲を飲み始めた
さっきの子供達は男の人に連れられ公園を出て行く
男「?」
さっきの母親だろう女性が残っており、こちらへ向かって歩いていた
目の前まで来ると
女「先ほどは有難うございました」
そう笑顔で話し掛けてきた
男「いえいえ、でも元気のいいお子さんですねぇ」
すると女性の表情が困ったように変わった
男「・・・何か言いましたか?」
女「いえいえ、あれは兄の子供達なんです」
男「?!・・・ってきりお子さんかと、失礼しました」
女「いえいえ、確かにそう見えるので」
そう言うと笑ってくれたので、逆にこちらとしても楽になれた
男「もし良かったら座りません?、銀杏綺麗ですよ」
女「それじゃぁ隣お邪魔しますね」
少し肌寒い風と、綺麗に落ちてゆく銀杏の葉と
彼女の笑顔・・・今年はいつもと違う紅葉になりそうだ