「坂道・・・風の匂いと共に」


男「暑いなぁ〜まったく」
この暑い中スーツで歩くのはやはり暑い
これも営業の宿命かもしれない
毎日通るこの道も最近は楽しみの一つになっている
何故かって?
目の前を白いワンピースを着た女性が右側に有る図書館へ
男「今日も来てるんですね」
女「ええ、そちらこそ毎日大変なんですね」
男「まぁ〜営業なんで」
女「あの・・・」
男「なんですか?」
女「いえ・・・頑張って下さい」
男「・・・ええ、まかせて下さい、どうぞごゆっくり」
とまぁ〜彼女と会えるからである。
後はかんたんな挨拶を済ますと笑顔でその場を離れた
  
彼女との出会いはちょうど一月前ぐらいになる
この道はある得意先への通り道で
もちろん図書館へ行く事も無く
毎日通り過ぎてただけだ
でもあの日、両手でたくさんの本を持って
少しきつそうに歩いてる女性と図書館の前で出会った
男「大丈夫ですか?」
心配してかけた事が・・・
女「きゃっ」
少しびっくりして持っていた本を見事に落としてしまったのだ
男「すみません、急に声なんてかけて」
道路に散らばった本を拾う
女「いえ・・・こちらこそ・・・」
そして最後の一冊を拾おうとした時
お互いの手が触れた・・・
ばかみたいだと思う
良くドラマなんかであると思う
でも、実際にお互い赤くなったのは今思うと笑えた
本当にあることなんだと
それからと言うものちょうどこの時間帯にここへ来ると
彼女と会う
これが日課になっていた
  
彼女と別れて歩いていると
いつもと違った彼女の言葉が気になってきた
額の汗を拭くためにハンカチを内ポケットから出し
額を拭く、太陽が思いっきり眩しかった
すると涼しい風が吹き、気持ちよく感じていると
急に突風が吹いた
男「痛っ!」
砂が目に入りそのままハンカチまで落としてしまった
ハンカチを拾う時図書館の入り口に入る彼女の姿
男「ん?・・・」
挨拶をして今入る?、時間がずれてる
男「何かあったかな?」
さっきの事といい気になって入り口へ戻った
しかし、門を曲がれば入り口の所で来て止まってしまう
男「でも、なんて言うんだ?」
少し考えそのまま振り向く
男「辞めとこう、ストーカーじゃないんだから」
歩き始めようとした時
女「きゃっ」
今度は彼女の声がした
慌てて門を曲がると図書館の入り口の前で
風のせいかスカートがめくれそうになってる彼女がいた
彼女は慌てて身なりを整える
男「今日の風は変ですね」
女「ええ・・・」
赤くなっている
男「それじゃ」
そう言って振り向くと
女「あのぉ、少し話しませんか?」
彼女の言葉にびっくりしながら
男「いいよ、でも少しね」
照れながらそう言った
今年の夏は何かが起きそうだ。