「風が吹いたビルの谷間」

あれから一月が経とうとしていた
突然の別れ
原因は二人のすれ違い
でも、いつの間にかそれを正す事も出来なくなってしまった
「なんでだろうな」
今はこんな事を毎日つぶやいてしまう
今もそうだが、毎日夜遅くまでの残業で彼女との会える時間を作れなかった。
いや、作らなかったのかもしれない・・・・・
最後の日・・・・・
彼女「もう・・・・・終わりなんだね?」
俺「・・・・・そう言うなら終わりかもな?」
彼女「・・・・・でも・・・・・さようなら」
たいした会話も無くその場を走り去っていった。
その時止める事が出来なかった
全ては自分にあると思ったから
「今日だったよなぁ〜約束の日」
約束の日とは、二人が出会った日の事だ。
確か公園で俺が酒に酔いつぶれている時、彼女が介抱してくれた
何故かその事で頭がいっぱいになってしまう。
一息いれようと自販機のある部屋へ向かう
外はもちろん暗く、じっと綺麗な夜の町を眺めた
タバコの煙が俺をあざ笑うかのように、大きな波を作りながら登って行く。
「なんでだろうな」
再び繰返した。
「んん〜〜もう今日は帰るか」
今は、仕事を進める気になれない。
     
会社の帰り道、どうしても出会いの公園へ向かってしまう。
「なにやってんだぁ〜、まったくさぁ〜」
このまま進むと公園だが次の角ををまがろうと決意して曲がろうとした
すると目の前に自転車に乗っている若者が急に現われぶつかろうとした。
「あいたたたたた」
俺は見事に倒れ、若者はそのまま走り去る。
着ていたスーツも泥だらけだ。
「・・・くくく、泥だらけになってしまった、、、、」
その時だ気のせいかも知れないが暖かい、いややさしい風が吹いた。
何故か心が落ち着き、癒されていくように感じた。
「まぁ〜〜スーツも泥だらけだし、意地を張らずに・・・・・・・」
ゆっくり立ち上がると、曲がる事無くそのまままっすぐ歩いた。
当然出会いの公園に辿り着いた。
夜の公園はカップルの姿が多い。
その中、出会ったベンチへまっすぐ向う。
前から数人の若者が不機嫌そうに歩いてくるが、特に気にせず歩いた。
やがてベンチへ着くがもちろん誰の姿も無く・・・・・
「ははは、俺何を期待したんだろうなぁ〜、まったく」
力なくベンチに座ると空を眺めた。