「雪残る展望台で・・・冷たく暖かい風」


思いっきりアクセルを踏む
地元でも有名なドライブコースの曲がりくねった道を
両手でハンドルを握りながら走る
男「ふぅ〜〜、久々だなぁ」
若き頃車で走っていたこの道
少し懐かしく、それでいて無茶してたと感じた
スピードを落とすとBGMの音量も下げ
今度は風景を見ながら走った
寒いこの季節、この道では普段見れない雪がある
そしてこの先に展望台が有りそこへ向かっていた
やっと着くと道路沿いに有る駐車場へ停めた
さすがに人は少なく、2.3台の車しかない
売店が有りそこに数人の姿を見るが
道路の反対側の展望台には人の姿が無い
男「やっぱ寒いからだろうなぁ」
1人つぶやき愛用のカメラを肩に下げて展望台へ向かう
少し階段があった登りつめたとき目の前に壮大な風景があった
そして所々に雪が残るその風景は最高だった
男「おお、いいねぇ」
またまた1人言を言いながらもカメラのスイッチを入れてレンズを覗き込む
良いアングルは無いかと周りをレンズ越しに見ると
結構近くに人が居た事に気がついた
しかもズームをきかせていたのでびっくりした
レンズ越しに見てるとなるとさすがに変態じみてる
慌ててまた違う方向へ向けた
数枚撮るとカメラを下げた
そこにいた女性も必死にレンズを覗き込みながら撮っている
寒い中、雪の残る展望台で2人無言でカメラを撮り続ける
なにかそこに不思議な空間を感じてしまい面白くなる
思わず声をかけようかと考えもしたが
さすがに1人では来ないだろうとそれは止めた
一応写真は撮ったし、無言でこうして居るのも邪魔だろうし
展望台を降りようとした
男「さむっ」
急に冷たい風が吹き思わず口走る
すると彼女も思わず手をさすっていた
思わず笑いそうになるのをこらえて降りた
 
車に乗ると次の展望台へ向かう
途中雪が多く残る所で停まり触り遊びもした
それほど雪が珍しく手型で足跡みたく残して遊ぶ
男「俺は子供か」
思わず苦笑する中、隣で遊んでいた家族の子供が
その手跡を見て笑ってる
再び車に乗ると走り出す
少し走るとまた沢山の雪が残る場所があったがさすがに手が冷たく止めた
その場所には1台の経自動車が停まっていた
周りに人は居ないようだ
男「車の中かな?」
何故か一瞬気にはなったが、通り過ぎるのも一瞬その場を後にした
 
男「ふぅ〜〜〜、ここも寒い」
やっと大きな展望台へ着くと車を降りた
カメラを再び立ち上げると撮り始める
見える風景が前の展望台とあまり変らないので沢山は撮らなかった
珍しくだれも居ない展望台
出店がまだ準備をしていた
少し冷たい風を受けながらじっと風景を見つめる
見れば見るほど自然は壮大でいて綺麗だと感じる
普段はアスファルト、コンクリート・・・そんな無機質なものばかり
たまにこうして自然を眺める事は心のリフレッシュになっていた
その時後ろで車の音がする
ドアが2つ開く音がするとカップルがその風景を見ていた
邪魔も悪いかと思いつつそのまま立続けた
男「んん〜」
ふと空を見上げると、とても青い空が広がっていて
思わずカメラを再び構えた
隣は寒かったのだろう、再び車に乗ると走り出す
と又一台の車が止まった
さすがに空にカメラを向けて撮り続けるのもおかしいだろうと思い
撮るのを止めた
降りかえるとそこには1台の経自動車が停まっていて
1人の女性が出てきた
男・女「あ・・・」
お互いほぼ同時に声を出す
そして・・・
男・女「どうも・・・」
思わずそう言った
2回も同時に同じ事を言ってしまうと後は笑うしかなかった
とりあえず無言になるまえに話し出す
男「さっきも展望台で会いましたよね?」
女「ええそうです」
すると次は彼女から話して来た
女「いい写真は撮れました?」
男「そうだなぁ〜まぁまぁですねぇ、撮れました?」
女「私始めたばかりで、でも沢山は撮りましたよ」
そういうと笑った
カメラを見ると同じメーカーのカメラだった
男「同じメーカーですね」
カメラを見せながら言った
女「使いやすいですよね、このカメラ」
彼女もカメラを見せてくれた
それから寒い中なんとなく話していると結構面白い人みたいだった
もう少し話してみようと思う、すると強い風が吹いてきた
男・女「さむい」
また同時に言ってしまう
男・女「ははははは」
不思議と同時が多く今度は結構大きな声で笑ってしまった
ふと彼女のジーパンに目がいくと、どろで少し汚れている
彼女もその目線に気が付きはらい始めた
女「さっき滑って倒れちゃって、ドジなんです・・・はは」
ここにはさっき感じた不思議な空間が再び存在していた
今日は撮りにきて良かったと思う